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お知らせ

新潟第一法律事務所からの様々なお知らせやご連絡、メディア情報などををご紹介します。

問題社員対応のための法律知識

 │ 弁護士五十嵐亮, 長岡事務所

 

 

1 はじめに

 

労務管理への関心が高まっていることは常日頃感じているところですが,

その中でも関心が高いと思われる「問題社員対応」について,先日,セミナーを実施しました。

参加者の方々は皆一様に熱心に取り組んでいましたので,

この問題に対する関心の高さを再確認することができました。

 

 

2 問題社員対応の3つのポイント

 

(1)「誰が」問題を起こしたのか?

まずは,誰が問題を起こしたのかという点です。

当たり前ですが,何もしていない人を処分することはできません。

この点は,横領や情報漏洩等の不正行為のケースで問題となり得るでしょう。

また,何者かがネット上の掲示板に内部の者しか知りえないことを書き込んだようなケースでも問題となり得ます。

 

(2)「どのような」問題を起こしたのか?

次に,具体的にどのような問題を起こしたのかという点です。

悪質性の程度や頻度なども重要な要素となります。

 

(3)どのような「手段」を採るべきか?

最後に,社員が問題を起こしたとして,どのような手段によって対応すべきかという点です。

手段としては,通常の注意・指導や懲戒処分があります。

会社に損害が発生していれば,損害賠償請求をすることもあり得るでしょうし,

犯罪行為が行われた場合には刑事告訴をすることもあり得るでしょう。

 

 

3 とりうる「手段」の分類と注意点

 

(1)法的処分とそれ以外の分類

手段には,法的効果を伴う手段とそうでない手段があります。

前者には懲戒処分や普通解雇が当てはまりますし,後者には,通常の注意・指導が当てはまります。

「法的効果」というのは,例えば,減給処分で言うところの賃金が下がること,

解雇で言うところの職を失うことがそれに当たります。

 

法的効果が生じる処分は,裁判でその適法性・有効性を争うことが可能ですので,

後から違法と判断されたり,場合によっては損害賠償を請求されたりするリスクを伴うことになります。

単なる注意・指導の場合には,それ自体を違法・無効と言われることはありません

(注意・指導がパワハラに当たるような場合は別ですが)。

 

(2)懲戒処分の分類

懲戒処分は,さらに,戒告・譴責,減給,出勤停止,懲戒解雇に分類されます。

戒告・譴責は,懲戒処分として行う注意・指導です。

懲戒歴にとして記録されることやその懲戒歴が賞与の算定,昇進の判断等に影響されることが,

単なる注意・指導と異なります。始末書の提出を伴うこともあります。

減給は,賃金の額から一定額を差し引くことです。

出勤停止は,制裁として就労を一定期間禁止することです。

停止期間中は,賃金が支給されず,勤続年数にも参入されないのが通例です。

懲戒解雇は,懲戒として解雇を行うことです。

解雇予告(ないし解雇予告手当)が不要であることや

退職金の全部または一部の不支給もあり得ることが,普通解雇と異なります。

 

(3)懲戒処分の注意点

懲戒処分はいつでもできるわけではありません。

むやみに懲戒処分を行うと違法と判断されるリスクがあります。

懲戒処分を行うには就業規則に定められた懲戒事由に該当することだけでは足りず,

さらに企業秩序に違反したこと及び懲戒処分を行うだけの社会的相当性が必要です。

 

 

4 具体例

一般論が長くなりましたが,ここからは具体例をみていきます。

 

(1) 遅刻・欠勤が多い社員

遅刻・欠勤が多い社員に対しては,

①遅刻・欠勤の理由の説明を求める,

②理由が合理的でなければ改善を促す,

③改善の機会を与えても改善されない場合は,懲戒処分等を検討というステップを踏む必要があります

 

裁判例の中には,1年間に欠勤27日,出勤した252日のうち99日は遅刻早退の者を解雇したという事例で,

他のより軽い処分をとったことがなく反省の機会を与えずに会社から排除したとして,

解雇は無効と判断されたというものがあります。

 

また,宿直勤務の際,2週間の間に,

寝坊をして定時ラジオニュースを放送することができなかったという放送事故を

2度発生させたアナウンサーを解雇した事案について,解雇無効と判断した裁判例もあります。

いずれの裁判例においても,いきなり解雇という重大な手段をとったことが違法性の根拠の一つとしてあげられています。

 

 

(2)部下に対する言葉遣いが乱暴な社員(上司)

このようなケースでは,上司と部下の言い分が食い違っていることが多いので,

双方の言い分を丁寧に淡々と聴き取ることが重要です。

他に見聞きしている社員がいれば,その者からの聴取も必要でしょう。

人格否定的な暴言が継続して行われているような場合で,

注意・指導しても止まないようであれば,懲戒処分の検討も必要でしょう。

 

裁判例においては,他の社員がいる前で,「ばかやろう」と言ったり,

別室で「三浪してD大に入ったのにそんなことしかできないのか。結局大学でても何にもならないんだな」

と言ったりする等した行為がパワハラと認定されています。

 

 

5 さいごに

このように,問題社員の対応には,丁寧な調査,きめ細かい対応,正確な判断力が求められます

判断に困ることがありましたら,いつでも私たちにご相談ください。

 

 

 

【弁護士法人新潟第一法律事務所 弁護士 五十嵐 亮】

<初出:顧問先向け情報紙「こもんず通心」2015年9月15号(vol.181)>

※掲載時の法令に基づいており,現在の法律やその後の裁判例などで解釈が異なる可能性があります。

 

 

 

 

【労務担当者必見!】 マタハラに対する規制が改正されました

 │ 弁護士五十嵐亮, 長岡事務所

 

1 はじめに

 

この度,マタハラ(マタニティハラスメント)に関する最高裁判決を受けて,

厚労省から妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いに関する

解釈通達の一部が改正されました(以下,「新しい通達」と言います)。

マタハラに対する規制が以前より厳しくなりましたので,注意が必要です。

 

 

2 新しい通達の位置づけ

 

「男女雇用機会均等法」及び「育児・介護休業法」では,

妊娠・出産・育休等を「理由として」解雇等の不利益取扱いをすることを禁止しています。

これまでは,どのような場合に妊娠・出産・育児休業等を「理由として」

不利益取扱いがなされたのかについての判断基準が明確ではありませんでしたが,

今回の改正によって,事業者にとって,より厳しい解釈がなされるようになりました。

 

 

3 妊娠・出産・育児休業等の事由の終了から

 1年以内に不利益取扱いがなされた場合は,違法 -原則-

 

新しい通達によれば,原則として,

妊娠・出産・育休等の「事由の終了から1年以内」に不利益取扱いがなされた場合には,

妊娠・出産・育休等を「理由として」不利益取扱いがなされたとして違法と判断されます。

「事由の終了から1年以内」という新たな基準が設けられたことになります。

 

 

4 どのような「事由」を理由として

   どのような「不利益取扱い」をすると違法となるのか?

 

具体的には,以下のような「事由」を理由として,

【「事由」の例】

・妊娠,出産

・妊婦健診などの母性健康管理措置

・産前・産後休業

・育児休業

・軽易な業務への転換

・つわり,切迫流産などで仕事ができない 労働能率が低下した

・時間外労働,休日労働,深夜労働をしない

・短時間勤務

・子どもの看護休暇

 

以下のような不利益取扱いをすることは違法となります。

【「不利益取扱い」の例】

・解雇

・雇止め

・契約更新回数の引き下げ

・正規から非正規への契約内容変更の強要

・降格

・減給

・賞与等における不利益な算定

・不利益な配置変更

・不利益な自宅待機命令

・仕事をさせない,もっぱら雑務をさせる

 

 

5 1年以内に不利益取扱いをしても違法とはならない場合 -例外-

 

妊娠・出産・育休等の事由の終了から

1年以内に不利益取扱いがなされた場合であっても,

「例外的に」違法とはならない場合があります。

 

※「例外」に該当するかどうかについては,

 詳細かつ慎重な判断が要求されますので,安易な判断は避けるべきでしょう。

 

 

(1)例外~その1~

「業務上の必要性が不利益取扱いの影響を上回る特段の事情がある場合」には,

例外的に,違法とはなりません。

 

【具体例】

 

① 不利益取扱いをしなければ,業務運営に支障が生じる状況にあった上で,

不利益取扱いを回避する合理的な努力がなされ,人員選定が妥当である場合

 

② 妊娠等の事由の発生前から能力不足等が問題とされており,

不利益取扱いの内容・程度が能力不足等との状況と比較して妥当で,

改善の機会を相当程度与えたが改善の見込みがない

 

 

(2)例外~その2~

「本人が同意し,一般的労働者が同意する合理的理由が客観的に存在する場合」

には,違法とはなりません。

 

具体的には,以下のような事情を総合的に考慮して判断することになります。

 

① 適切な説明が行われ,労働者が十分に理解していたかどうか

② 不利益取扱いによる影響について十分に説明がなされたか

 (単に「降格」することだけではなく「減給」が伴うことについても説明されたか)

③ 書面など労働者が理解しやすい形で明確に説明されたか

④ 自由な意思決定を妨げるような説明がなされていないか

 (例:「この段階で退職を決めるなら会社都合という扱いにするが,

   同意が遅くなると自己都合にするので失業給付が減額になる」など)

⑤ 契機となった事由や取扱いによる有利な影響

 (労働者の意向に沿って業務量が軽減される等)があって,

 その有利な影響が不利な影響を上回っているか

 

 

6 さいごに

 

新しい通達に反して違法とされた場合には,行政指導がなされたり,

悪質な場合には事業者名の公表が行われることもあります

(マタハラに対する社会的関心の高まりもあって,厚労省から,

各都道府県労働局に対して,積極的な行政指導を実施するよう通達されています)。

 

また,場合によっては,多額の損害賠償が必要になる可能性もありますので,

十分な注意が必要です。

 

 

【参考】

厚生労働省HP

 

 

◆弁護士法人新潟第一法律事務所 弁護士 五十嵐 亮◆

<初出:顧問先向け情報紙「こもんず通心」2015年4月15号(vol.172)>

※掲載時の法令に基づいており,現在の法律やその後の裁判例などで解釈が異なる可能性があります。

有給休暇に関するQ&A特集

 │ 弁護士五十嵐亮, 長岡事務所

 

さまざまなタイミングで発生する有給休暇に関する疑問について,

回答をまとめてみましたので,ご参考にしていただけましたら幸いです。

 

※個別の事情により適切な対処の方法が異なる場合がございます。

くわしくは当事務所の弁護士までご相談ください。

 

 

Q1 有給休暇を与える時季は誰が決めるのか?

当社は,法律の定めどおりの日数で有給休暇の取得を認めていますが,

今年度は,取引先からの注文が相次いでおり,

9月の納期までの間に有給休暇を取得されると困ってしまいます。

お盆休みもあるので8月に有給休暇を取得したいという希望が多いようです。

当社としては,9月以降に有給休暇を取ってもらいたいのですが,

どのようにしたらよいのでしょうか?

 

A1 有給休暇を与える「時季」の問題ですね。

従業員が,有給休暇取得の時季を指定してきた場合,

有休休暇取得により「事業の正常な運営を妨げる場合」に該当する場合には,

使用者は時季変更権を行使することができます。

 

「事業の正常な運営を妨げる場合」に当たるかどうかは,

判例上,事業の規模,内容,当該労働者の担当する作業内容,

性質,作業の繁閑,代行者の配置の難易,

労働慣行等諸般の事情を考慮して客観的に判断されるべきとされています。

 

判例の傾向からすれば,

一度に多数の従業員が有給休暇を申請してきた場合や,

休暇の期間が長期にわたる場合には,

使用者による時季変更権の行使を認めやすくなるといえます。

 

 

Q2 有給休暇の買い取りは可能か?

Q1と同様のケースで,従業員に有給休暇の取得を認めていると,

とても納期に間に合わないような場合に,会社で,

従業員の有給休暇を買い取って有給休暇を取得させずに働かせることはできますか?

 

A 有給休暇の買い取りを合意し,

その分の有給休暇の取得を認めないとする取扱いは,

労働基準法39条に違反することになります。

 

なお,法律で定める日数以上の有給休暇の取得を認めている場合に,

法律の定めを超える部分について買い取りを行うことは可能です。

 

 

Q3 従業員からの有給休暇の買い取り請求は可能か?

従業員にがんばってもらい,なんとか納期に間に合わせ,

無事に年度末を迎えることができました。

ただ,従業員の中には有給休暇を一度も取得できなかった者もいたようで,

この従業員から未消化分の有給休暇の買い取りを請求されています。

有給休暇の買い取りは可能なのでしょうか?

 

A3 Q2の場合と同様,従業員からの請求の場合でも,

有給休暇を買い取ることはできません。

法律で定める日数を超える部分についてはQ2と同様です。

 

 

Q4 有給休暇の時効は?

Q3のケースで,結局,

有給休暇の買い取りをしないまま時間が過ぎ,2年が経過しました。

ところが,忘れたころに,2年前の未消化分の有給休暇をまとめて申請されました。

どのように対応すればよいのでしょうか?

がんばって働いてくれたので何らかの形で報いてあげたいとは思うのですが・・・。

ちなみに,当社では,有給休暇の発生日を「当年度の初日」としています。

 

A4 まず,一度発生した有給休暇は,

発生した日から2年間で時効にかかり消滅します(労働基準法115条)。

つまり,有給休暇が,当年度の初日に発生するとした場合,翌年度の末日をもって消滅します。

 

したがって,Q4のケースでも発生日から2年が経過しているので,

消滅時効が完成していますから,有給休暇の申請に応じる必要はありません。

 

ただ,有給休暇が時効消滅した場合には,

未消化のまま消滅した有給休暇の日数に応じた手当を支給することは,

Q2の場合と異なり,違法ではありません。

 

また,時効消滅した有給休暇日数を積み立てておき,

病欠等一定の事由があった場合に限定して使用を認めるという扱いも可能です。

 

 

Q5 退職する従業員からの有給休暇取得の申請

今年度をもって定年退職する従業員が,

これまで消化していなかった有給休暇を使って,

退職まで90日の有給休暇を取得したいと言い出しました。

 

確かに,未消化分を計算すると90日以上あるようなのですが,

引き継ぎなどもあるため,90日も休まれると困るのですが,

どのように対応したらよいでしょうか?

ちなみに,当社では,年間で付与される有給休暇の日数の上限を,20日と定めています。

 

A5 Q4で説明したとおり,2年で時効消滅しますから,

年間で付与される有給の日数が20日までなのであれば,

残っている有給休暇の日数は,多くても40日(当年度分と前年度分)と考えられます。

なので,90日もの有給休暇を認める必要はないと考えられます。

残っている有給休暇の日数を正確に計算した上で,

退職予定の従業員さんと話し合うとよろしいと思います。

 

 ◆弁護士法人新潟第一法律事務所 弁護士 五十嵐 亮◆
<初出:顧問先向け情報紙「こもんず通心」2014年10月1日号(vol.159)>

※掲載時の法令に基づいており,現在の法律やその後の裁判例などで解釈が異なる可能性があります。

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