弁護士コラム「人生の一部を垣間見る」弁護士:長谷川伸樹
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弁護士が担当する財産管理業務
弁護士業務の中には、自分以外の方の財産を管理する業務がいくつかあります。
中でも、最近は相続財産管理人、成年後見の業務が徐々に多くなっているように感じます。
今回はこの二つの業務について簡単に紹介ができればと思います。
ご自宅を無断で訪問?相続財産管理人業務
相続財産管理人業務は、主に亡くなった方に相続人がいない場合に、亡くなった方の遺産の管理者として裁判所から選任されることが多いです。
中には一軒家をお持ちのままお亡くなりになる方もおり、管理人に選任された場合、ご自宅まで調査に伺うことも少なくないです。
生活感の残る誰もいないご自宅に無断でお邪魔して、亡くなった方の生前の様子に思いを馳せると、何か悪いことをしているようななんとも言えない気持ちになります…
そのような気持ちからか、ご自宅の調査を行うことは少し気が引けます。
もっとも、債権者やご親戚の方の必要に応じて管理人選任の申立てがなされていると思うとそのようなことは言っていられません。
忍びない気持ちもありながら、時間をかけておうちの中を拝見し、調査をさせていただいています。
家計の収支をしっかり管理!後見業務
成年後見業務は、主に判断能力が乏しくなってしまった方に代わって、我々が財産管理や身上監護を行うものです。
たいていはご親族が管理していた通帳や保険証券といった財産資料を引き継ぐ形で業務を開始しますが、その後も口座の取引履歴や郵便物の調査を通じて、管理すべき財産に漏れがないか、医療費介護費などを加味しても問題なく家計を回せるか(赤字にならないか)などを調査、調整していくことになります。
そのような痕跡から、その方の生活の履歴を調査することで生活実態が見えてくることになります。
中には無駄遣いをしないようにお話しをさせていただくこともあります(笑)
人生の一部を垣間見る
上記のような業務の内容を見ると、「弁護士の仕事は趣味の悪いものが多い」と思われる方もいるかもしれません。
私も最初は、人の生活や人生を盗み見ているようで、少なからず抵抗を覚えたこともありました。
しかし、上記の業務が徐々に増えていることからもわかるようにこれらの業務を必要としている方が多いのは事実です。
また、最近では、自分の中で「このような形でその方の人生に関与することができるのも、弁護士ならではの仕事か」とも感じるようになりました。
人の人生の一部を垣間見ることの責任をより強く感じ始めた弁護士6年目です。