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【法律相談】酒席でのトラブル回避のために

 │ 新潟事務所, 弁護士角家理佳, 労働

Q 12月(※初出が2007年12月)は忘年会やクリスマスパーティーなど,職場でも飲む機会が増えますが,酒の席ではトラブルも多いと聞きます。どんなことに注意したらよいか,アドバイスをお願いします。
 
A お酒の席でのトラブルといってまずあげられるのは,アルコールハラスメント(アルハラ)でしょう。
 
 アルハラとは,アルコールに絡む嫌がらせ全般を指す言葉で,嫌がる人にお酒を強要したり,一気飲みをさせたり,わざと酔いつぶすなどがこれにあたります。宴席でもこれらの行為をすれば,アルハラにあたります。
 
  上司が部下に対して,「俺の酒が飲めないのか?!」などと言って飲酒を強要すればアルハラだけでなく,パワーハラスメント(パワハラ,権力や地位を利用した嫌がらせ)にもなります。
 
 男性が女性にお酌を強要したり,酔ってトロンとした目で女性をためつすがめつ眺めたりすれば,セクハラといわれることもあるでしょう。 
 
 上司から「今日は無礼講だ!」と言われたことに気を許し,他人の秘密にしたいことを大勢の前でばらしたり,相手の名誉感情を傷つけるようなことを言ったりすれば,場合によっては名誉毀損罪や,侮辱罪にもなりかねません。少なくとも“無礼者”のレッテルは免れないでしょう。
 
 また,飲めない人に具合が悪くなることを承知で酒を飲ませ,急性アルコール中毒にさせたりすれば傷害罪,酔って動けなくなった人を寒空の下に放置して帰ってしまえば宴会の責任者等は遺棄罪に問われかねません。もちろん酔って自動車を運転するなど言語道断です。
 
 以上のような行為をすれば,懲戒処分の対象にもなりかねませんし,その行為によって人に損害を与えれば,不法行為による損害賠償請求をされることも考えられます。
 
 こう書いてくると,いまどきは,なんとかハラスメントだとか何罪だとか,うるさくてかなわないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが,昭和36年に施行された“酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律”(俗に、酔っ払い防止法とかトラ退治法などと呼ばれています。)の第2条には「すべての国民は,飲酒を強要する等の悪習を排除し,飲酒についての節度を保つように努めなければならない。」と定められており,実は,特段新しい問題ではないのです。いずれにしても度を越した振る舞いさえしなければ,あまり心配はいらないでしょう。
 
 親睦を深める楽しいお酒が苦いお酒になっては元も子もありません。そんなことにならないように,お互い節度をもって行動したいものです。
 

◆弁護士法人一新総合法律事務所 弁護士 角家 理佳◆
<初出:顧問先向け情報紙「こもんず通心」2007年12月号(vol.23)
※一部2011.6.22改定>

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