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【法務情報】育児・介護休業法の改正

 │ 労働, 弁護士中川正一, 燕三条事務所

育児・介護休業法が改正されました。ポイントは以下のとおりです。

 
1.育児休業制度の見直し
 厚労省によれば,勤労者世帯の過半数が共働き世帯となっているなかで,女性だけでなく男性も子育てができ,親子で過ごす時間をもつことの環境づくりが求められているそうです。また女性に子育てや家事の負荷がかかり過ぎていることが,女性の継続就業を困難にしているとも言われています。
 そのような中,今回の法改正において,父母がともに育児休暇を取得する場合,育児休業取得可能期間を子が「1歳に達するまで」から「1歳2ヵ月に達するまで」に延長しました(パパ・ママ育休プラス)。
 また配偶者が専業主婦(夫)であれば育児休業の取得を不可とする制度を廃止しました。

 
2.子の看護休暇の拡充
 旧法でも小学校就業前の子がいれば,子が病気やけがをした子の看護のために年間で5日の看護休暇を取ることができましたが,これが小学校就学前の子が2人以上の場合に年間10日まで看護休暇を取ることが可能になりました。

 
3.所定外労働の免除
 3歳に満たない子を養育する労働者が請求した場合には,所定労働時間を超えて労働をさせてはならないという制度が創設されました。
 

4.短時間勤務等の措置
 3歳に満たない子を養育する労働者であって育児休業をしていないものについて,労働者の申出により,一日の所定労働時間を原則として6時間とする措置を含む短縮措置を講ずることが事業者の義務になりました。また労使協定により除外された労働者においても,代替措置を講ずる必要があります。

 
5.介護休暇制度の導入
 厚労省のデータによれば,家族の介護・看護のために離転職している労働者が,平成14年からの5年間で約50万人存在し,要介護者を日常的に介護する期間に,年休・欠勤等で対応している労働者も多いようです。
 そこで,このような労働者の負担を軽減するために,要介護状態にある家族の通院の付添等に対応するため,年間5日間(要介護状態にある対象家族が2人以上であれば年間10日間)の介護のための短期休暇制度を設けました。

 

 以上の改正には,対象となる労働者とそうでない労働者が法律によって規定されています。 
 また労働者の代表と労使協定を締結することによって、対象となる労働者から除外できる場合があります。 
 このような場合,会社の方で事前に就業規則を修正し,必要な労使協定を締結するなどの措置が必要になります。特に「休暇」に関する事項は,就業規則の絶対的必要記載事項とされています。 
 このような行為を怠ったがゆえに後から違法として請求を受けるよりは,早期に必要な措置を講ずることにより適法な対応を取ることが望ましいといえるでしょう。

 
 以上の制度は平成22年6月30日から施行されていますので,早急な対応が望ましいでしょう。ただし,上記3,4,5の制度は,常時100人以下の労働者を雇用する事業主においては、平成24年6月30日まで適用が猶予されています。自社の状況を踏まえて,適切な適用時期を模索することをお勧めします。

 

◆弁護士法人一新総合法律事務所 弁護士 中川 正一◆
<初出:顧問先向け情報紙「こもんず通心」2010年9月29日号(vol.63)>

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