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税法ワンポイント① ―資産の譲渡に関する課税―

 │ その他, ビジネス, 上越事務所, 企業・団体, 弁護士小林優介, 新潟事務所, 新発田事務所, 東京事務所, 燕三条事務所, 長岡事務所

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今回から2回にわたって,

税法ワンポイント ―資産の譲渡に関する課税―

をお伝えいたします!

___________________________________________

 

資産の譲渡に関する課税関係は複雑です。

 

 

法人間の資産の無償譲渡について

法人税は法人の各事業年度の所得に対して課されますが,

法人の各事業年度の所得の金額は,

当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額

とされています(法人税法22条1項)。

「益金」というと,企業会計上の「収益」(資本取引以外の会社の活動による資産の増加)と

同じものと考えてしまいがちですが,そうではありません。

 

 

たとえば以下のような場合

例えば,A法人が,過去に300万円で取得して

現在の時価が500万円となっている土地を,B法人に贈与したとします。

B法人は,500万円の価値の土地をただで取得したのですから,

500万円の受増益が生じます。

他方,A法人には何も資産の増加はないように思えますが,

法人税法上は,このような場合にも益金への算入をします。

すなわち,法人税法22条2項では,

「…益金の額に算入すべき金額は…有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供,

無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る

当該事業年度の収益の額とする。」

と規定されています。

 

よって,無償で資産を譲渡している場合にも,法人税法上は,

時価(上の事例では500万円)が譲渡収益に計上され,

そこから原価の300万円を控除した200万円の所得が算出されます。

しかし,実際には,A法人は資産を無償譲渡しているのですから,

A法人の資産は減少しています。

 

そのため,法人税法37条7項により,

譲渡資産の時価相当額を寄附金として支出したと考えるのです

(但し,寄附金は,必ずしも全額が損金に算入されるわけではありません)。

このように無償取引でも時価での取引があった場合と同様に益金を計算するのは,

営利を目的とする法人では,何らの合理的な経済目的も存しないのに,

無償で利益を他に移転することは通常あり得ないという考え方が根本にあるからです。

 

なお,100%グループ内の法人間における取引では,

上記と異なる取扱いがなされることにご注意下さい。

 

◆弁護士法人新潟第一法律事務所 弁護士 小林優介◆
<初出:顧問先向け情報紙「こもんず通心」2016年2月15日号(vol.189)>

※掲載時の法令に基づいており,現在の法律やその後の裁判例などで解釈が異なる可能性があります。

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