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税法ワンポイント④ ―資産の譲渡に関する課税―

 │ その他, ビジネス, 上越事務所, 弁護士小林優介, 新潟事務所, 新発田事務所, 東京事務所, 燕三条事務所, 長岡事務所

 

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今回は前回に引き続き,

税法ワンポイント④ ―資産の譲渡に関する課税―

をお届けします。

 

まだご覧になっていない方は,前回の記事もぜひあわせてお読みください。

★ 税法ワンポイント③ ―資産の譲渡に関する課税― ★

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1 資産の低額譲渡

これまでの3回では,法人間や個人間,法人・個人間の資産の無償譲渡に関する課税を説明してきました。

原則的には時価で譲渡したものと考え,政策的な観点から課税繰延等がなされているということでした。

それでは,資産を時価よりも低額で譲渡した場合の法人税及び所得税の課税はどうなるのでしょうか。

 

2 法人間の資産の低額譲渡

法人間で資産の有償譲渡がなされた場合,資産を譲渡した法人では,譲渡額を益金に算入するのが原則です(法人税法22条2項)。

この原則通りに考えると,資産を低額,例えば時価の2分の1以下で譲渡した場合にも,譲渡額を益金に算入することになりそうです。

しかし,無償譲渡の場合は時価を益金に算入するのに,対価を1円でも得ていれば,その譲渡額を益金に算入するというのでは,益金の額を抑えるために,無償ではなく著しく低額で譲渡する法人が多数出てきてしまいます。

この点について,最高裁(最判平成7年12月19日)は,「譲渡時における適正な価額より低い対価をもってする資産の低額譲渡は,法人税法22条2項にいう有償による資産の譲渡に当たることはいうまでもないが,この場合にも,当該資産には譲渡時における適正な価額に相当する経済的価値が認められるのであって,たまたま現実に収受した対価がそのうちの一部のみであるからといって適正な価額との差額部分の収益が認識され得ないものとすれば(中略)無償譲渡の場合との間の公平を欠くことになる。したがって,右規定の趣旨からして,この場合に益金の額に算入すべき収益の額には,当該資産の譲渡の対価のほか,これと右資産の譲渡時における適正な価額との差額も含まれるものと解するのが相当である。」と判示しました。

すなわち,法人間の資産の低額譲渡の場合は,無償譲渡の場合と同様に,時価を譲渡収益として計上し,そこから取得価額を控除した額が所得として計上されます。

時価と譲渡額との差額については,寄附金として支出したと考えます。但し,寄附金は,必ずしも全額が損金に算入されるわけではありません。

資産の低額譲渡を受けた法人側でも,無償譲渡の場合と同様に,時価と対価の差額が受贈益として計上されます。

 

3 法人から個人への低額譲渡

譲渡する法人側では,基本的には上記の法人間の低額譲渡と同様の処理となりますが,資産を譲り受ける個人が,当該法人の役員や従業員である場合には,時価と譲渡額との差額を役員賞与や使用人賞与として処理します。

役員賞与の場合には損金算入できません(法人税法34条)し,賞与については源泉徴収(所得税法183条,186条)も必要となるためご注意ください。

資産を譲り受ける個人側では,時価と支払った額との差額について,法人と雇用等の関係があれば給与所得,そうした関係がなければ一時所得として計上します。

 

次回「税法ワンポイント⑤ ―資産の譲渡に関する課税―」もご覧ください。

 

◆弁護士法人新潟第一法律事務所 弁護士 小林優介◆
<初出:顧問先向け情報紙「こもんず通心」2016年4月1日号(vol.192)>

※掲載時の法令に基づいており,現在の法律やその後の裁判例などで解釈が異なる可能性があります。

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