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税法ワンポイント⑤ ―資産の譲渡に関する課税―

 │ その他, ビジネス, 上越事務所, 企業・団体, 弁護士小林優介, 新潟事務所, 新発田事務所, 東京事務所, 燕三条事務所, 長岡事務所

 

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今回は前回に引き続き,

税法ワンポイント⑤ ―資産の譲渡に関する課税―

をお届けします。

 

まだご覧になっていない方は,前回の記事もぜひあわせてお読みください。

★ 税法ワンポイント④ ―資産の譲渡に関する課税― ★

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 1 個人間の資産の低額譲渡

前回から資産の低額譲渡に関する課税を説明してきました。

法人間及び法人から個人への資産の低額譲渡について見てきましたので,今回は,個人間の資産の低額譲渡に関する課税を説明します。

 

2 譲渡損失の無視と取得費の引継ぎ

個人間の資産の譲渡では,当事者間で現実に授受された金額で総収入金額や取得費を計算するのが原則です。

しかし,時価よりも著しく低額での譲渡を無制限に認めると,譲渡損失を発生させて,同額を他の資産の譲渡で生じた所得から減らすことで,いくらでも租税回避ができることになってしまい不合理です。

そこで,所得税法では,一定の資産の低額譲渡の場合に,譲渡損失を無視し,無償譲渡の場合と同様に取得費の引継ぎをすることとして,こうした租税回避の濫用を防いでいます。

すなわち,個人間で,資産の時価の2分の1に満たない対価で資産の譲渡がなされ,その譲渡から損失が発生する場合には,損失の額はなかったものとみなされます(所得税法59条2項,同法59条1項2号,同法施行令169条)。

例えば,個人間で時価1000万円の土地を300万円で譲渡する場合,その土地の取得費が500万円だったとすると,譲渡人には200万円の譲渡損失が発生することになるはずです。

しかし,所得税法59条2項により,200万円の譲渡損失はなかったものとみなされます。これにより,仮に,譲渡人が,他にも資産を譲渡して,譲渡所得が生じていた場合に,資産の低額譲渡によって譲渡損失を生じさせて,譲渡所得の金額を減らすことはできないことになります。

また,資産の時価の2分の1に満たない対価で資産の譲渡がなされた場合には,取得費の引継ぎもなされます(所得税法60条1項2号)。

すなわち,上記の事例の場合には,取得費は,土地の譲渡の対価である300万円ではなく,譲渡人が当該土地を取得した際の費用である500万円となります。

これにより,例えば,譲受人が,譲り受けた資産について,すぐに時価(1000万円)で売却した場合にも,取得費との差額500万円が所得として計算されます。

こうした,譲渡損失の無視と,取得費の引継ぎによって,譲渡所得が生じる人物の変更を防ぎ,租税回避の濫用を防止しているのです。

 

3 贈与税

なお,個人間の資産の低額譲渡の場合には,譲受人について所得税とは別に,贈与税の課税も問題となります。

上記の例でいえば,時価と対価の差額700万円について贈与税の課税が問題となりますのでご注意ください。

 

◆弁護士法人新潟第一法律事務所 弁護士 小林優介◆
<初出:顧問先向け情報紙「こもんず通心」2016年4月15日号(vol.193)>

※掲載時の法令に基づいており,現在の法律やその後の裁判例などで解釈が異なる可能性があります。

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