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【法務情報】ダウンロード違法化~著作権法の一部を改正する法律:平成22年1月1日施行~

 │ 新潟事務所, ビジネス, 弁護士橘里香

1 はじめに

 
 「著作権法の一部を改正する法律」が昨年(※2009年)6月12日に成立し,本年(※2010年)1月1日より施行されています。

 
 複数の改正がなされましたが,ここでは一部で話題となっていた著作権法30条第1項第3号について取り上げたいと思います。

 
 第30条① 著作権の目的となっている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は,個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは,次に掲げる場合を除き,その使用する者が複製することができる。(略)(新設)三 著作権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、その事実を知りながら行う場合

 
2 概要

 
 この法律ができる以前は,私的使用の範囲内であれば,違法にアップロードされたコンテンツでも, 著作権者の許可無しにダウンロードすることが可能でしたが,本法律により,著作権侵害と知りながらダウンロードすることは私的使用には当たらない,すなわち違法行為となるとされたのです。

 
 この改正では,罰則規定は設けられませんでしたので,違反しても刑事罰はありません。

 
 しかし,理論上は,民事における損害賠償請求等の対象にはなりますので,注意が必要です。

 
 本件改正では,「事実を知りながら行う」ことが要件とされていますが,知らなかったと言えばそれで大丈夫というものではありません。権利者においてネットでの配信の違法性告知表示を行っていますし,海外においては高額の損害賠償が認められた例もあります。今後,我が国においてもそのような訴訟が 起こされる可能性はあるといえます。ただ,文化庁ではいきなり訴訟等を起こしたりしないよう指導す るとされています。

 
* なお,政府見解では,動画投稿サイト閲覧の際に,視聴するデータが一時的にコンピューターに保存される場合の情報の蓄積(キャッシュ)に関しては,電子計算機における著作物利用に伴う複製に関する著作権の例外規定(第47条の8)が適用され,権利侵害にならないとされています。

 
3 著作権権利意識教育の必要性

 
現在,ネット上では違法ファイルが多数存在し,著作権に対する権利意識の低さが問題となっています。

 
特に,中高生においては,違法ダウンロードに対する意識が低く,とあるアンケートでは中高生の4人 に1人が違法ダウンロードした経験があるという結果が出ています。

 
インターネットの利用にあたっては,著作権侵害を行わないよう注意することが必要です。

 
特に,お子さんのインターネットの利用のあり方には注意を払ってあげる必要があります。

 
また,企業においても,ネットでHPを作成する場合などには,著作権侵害を行わないよう,社員に対 して著作権意識の教育を行うことが大切です。

 

◆弁護士法人一新総合法律事務所 弁護士 橘 里香◆
<初出:顧問先向け情報紙「こもんず通心」2010年6月15日号(vol.56)>

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