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【法律相談】父の相続について

 │ 新潟事務所, 遺言・相続, 弁護士今井慶貴

Q 先日、父が亡くなりました。
 母と子ども2人(私と兄)が残されましたが、父は同居していた兄に「遺産の全部を相続させる」との遺言を残していました。
   父の遺産といっても、持ち家と若干の預金だけで、銀行に対する借金もいくらかあるようです。
 私としては、多少複雑な気分です。同居していた兄が多めに相続することは納得できますが、母と私に対して何もないというのはどうなのでしょう…。

 
A そうでしょうね。遺言書が問題なく作られていたとしても、少しでも配分に与りたいと思うのであれば、遺留分(いりゅうぶん)という権利があります。
 その権利を相続と遺言書の存在を知ってから1年間以内であれば、行使することができます。

  

Q その権利を行使した場合には、どうなりますか?

 

A あなたの本来の相続分である遺産の1/4のさらに1/2である1/8について、お兄さんに配分を請求できます。
 具体的な分け方はまず協議して決めますので、家以外の預金やお兄さんの自分のお金で1/8になるように調整することになるでしょう。

 
Q もし、兄とうまく話が進まなかった場合には、どういう手続になるのですか?

 
A 家庭裁判所で家事調停か、地方裁判所で民事裁判をして解決することになります。

 
Q そうですか…。私は兄弟で仲良くしていきたいし、母の面倒も見てもらいたいので、遺留分は主張しないことにします。ところで、父の借金は、兄が払うのですよね?

 
A 実際上はそうなると思います。銀行は債務を承継する旨の書類をお兄さんに出してもらうことになるでしょうね。

 
Q そうすると、私が父の借金をかぶることはないですね?

 
A おそらく大丈夫だと思いますが、絶対ではありません。
 なぜなら、お父さんの借金は、銀行に対しては、法律上の相続分に応じて分割されている扱いになるからです。
 あなたは財産をもらわないのですが、1/4の債務を銀行に対して負います。
 とはいえ、普通はこのような場合はお兄さんが全額の債務を承継して支払いますし、銀行からもあなたに請求は来ないでしょう。ただし、お兄さんが支払えなくなった場合には分かりません。

 
Q それは困ります。絶対に借金をかぶらないようにしたいのですが…。

 
A それなら、お父さんが亡くなったのを知ったときから3か月以内に、お父さんの最後の住所地を管轄する家庭裁判所に、相続放棄の書類を提出しましょう。これで絶対安心です。

 

◆弁護士法人一新総合法律事務所 弁護士 今井 慶貴◆
<初出:顧問先向け情報紙「こもんず通心」2008年9月号(vol.31)>

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