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【法務情報】震災時の企業法務~Q&A~

 │ 新潟事務所, 弁護士橘里香, 震災

【第一 はじめに】

 2011年3月11日,東日本を未曾有の大地震が襲いました。皆様の中にも,親族・友人が被災されたという方がいらっしゃるのではないでしょうか。
 そこで,いざというときの知識として,または,今回被災された知人から相談を受けたときの知識として,震災に関連する法律や今回取られている特例措置等をQ&A方式でいくつかご紹介したいと思います。

 
【第二 震災時の企業法務Q&A】

Q1 地震の影響で事業を休業した場合にも,給与は支払わなければならないの?

 

 A  原則,不可抗力による休業であり,給与の支払義務はありません。
  (解説)労働基準法26条は,使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には,休業手当(60/100)の支払が必要と定めています。
  しかしながら,天災事変や停電による休業の場合には使用者の責に帰すべき事由にあたらず,支払義務はないと解されます。
  ただし,就業規則で異なる扱いの規定を定めていないか注意をして下さい。
 ※今回の震災に際しては,事業所が災害を受けたことにより休止したため休業して賃金を受けることができない場合に,実際に離職していなくても失業手当を受給できるようになっています。

 

Q2 震災の影響で,やむを得ず(交通機関に障害が生じ材料が入手できない等)一次的に事業を縮小せざる得なくなりましたが,従業員の雇用を守りたいと思います。何か使える制度はありますか?

 

 A 雇用調整助成金制度が利用できます。
  (解説)雇用調整助成金制度とは,経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者の雇用を維持するために、休業等を実施し、休業に係る手当等を労働者に支払った場合、それに相当する額の一部を助成する制度です。
 具体的には、「最近3か月の生産量、売上高等がその直前の3か月又は前年同期と比べ5%以上減少している雇用保険適用事業所の事業主」が対象となります。
 なお、中小企業緊急雇用安定助成金は、中小企業向けに雇用調整助成金の助成内容を拡充したもので、直近の決算等が赤字の場合、生産量等の減少が5%未満であっても対象となります。

 
Q3 従業員から,震災で大変なので給与を前払いをして欲しいと言われました。支払わないといけないのでしょうか?

  
 A 支払わなければなりません。
  (解説)労働基準法25条で,労働者が出産,疾病,災害その他厚生労働省で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては,支払期日前でも,既往の労働に対する賃金を支払わなければなりません。

 

 ※様々な特例が随時設けられています。お知り合い等で,お困りの方がおられたら,お気軽にご相談下さい。

 

◆弁護士法人一新総合法律事務所 弁護士 橘 里香◆
<初出:顧問先向け情報紙「こもんず通心」2011年4月15日号(vol.76)>

 

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