相続について考える~ライフプランから始めよう~
円満な相続には生前の準備が重要ですが,
いつから始めるのがよいか…
実は,この問いに正解はないのですが,
遅すぎることはあっても,早すぎるということはありません。
日本人の平均寿命は年々長くなっていますが,
心身ともに健康で過ごせる時間(健康寿命)は,平均寿命より大分短いのです。
老後ではなく老「前」にやっておくべきことといえます。
そうは言っても,自分や親族の死後のことを考えるのは気が進まないかもしれません。
でも,ちょっと視点を変えてみてください。
相続は,人が精一杯生き抜いた先にあるものです。
そこで,どんな人生を送りたいか,
生きている間のライフプランを考えることから始めてみてはどうでしょうか。
今後予定される収入・支出はどの程度か,
どこで,誰と,どのように暮らしたいか,生きているうちにやりたいことは何か,
自分の終末期の医療はどうしたいか,葬儀や供養はどうしてほしいか。
そうして豊かな人生を全うした後,残った財産を,誰に引き継ぎたいかを考える。
お盆など親族が集まる時期に,
お互いの将来の生活について,話し合ってみてはいかがでしょうか。
◆弁護士法人一新総合法律事務所 弁護士 角家 理佳◆
<初出:顧問先向け情報紙「こもんず通心」2014年7月31号(vol.155)家事チーム連載⑱>
※掲載時の法令に基づいており,現在の法律やその後の裁判例などで解釈が異なる可能性があります。