相続人に未成年者がいる場合に気を付けること
│ 弁護士橘里香
相続では,年齢に関係なく未成年者も相続人になります。
しかしながら,未成年者は,
法律行為を行うに際して法定代理人(=親権者)の同意が必要になります。
遺産分割協議への合意も法律行為に当たることから,
未成年者自身が行うことはできず,法定代理人が代理して行う必要があります。
しかしながら,その法定代理人も同じく相続人である場合,
例えば父親が他界して,妻と子が相続人になるような場合には,注意が必要です。
本来,未成年者の法定代理人となる親自身が相続人になり,
一つの相続財産を子と親とで分け合う形となることから,
法律上は,親子で利害が対立すると見られ,親は子を代理することができないのです。
このような場合は,未成年者について家庭裁判所に特別代理人選任申立を行い,
法定代理人の代わりに未成年者の代理人となってくれる人を
家庭裁判所に選任してもらう必要があります。
子が複数名いる場合は,子ごとに上記申立が必要になります。
<初出:顧問先向け情報紙「こもんず通心」2014年9月17号(vol.158)家事チーム連載⑳>
※掲載時の法令に基づいており,現在の法律やその後の裁判例などで解釈が異なる可能性があります。