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とある家族のお話です。

Aさんには、妻Bとの間に、2人の子供(CとD)がいます。Aさん一家はAさんの実家で両親と同居をしていましたが、父は既に他界しており母Eと5人で暮らしていました。Aさんには、2人の姉(FとG)がいますが、それぞれ県外に嫁いでおり、お盆と正月に会うくらいです。

Eは、70歳を過ぎたあたりから、ぼんやりとすることが多くなりました。話しかけても上の空だし、受け答えもなんだかとんちんかんです。そこで、Aさんが病院に連れて行くと、Eは認知症と診断されました。

Bは、姑であるEの身の回りの世話をするようになりました。病院への送り迎え、薬の飲み忘れがないかの確認、お風呂の介助、食事の用意……Bのやることはまだまだあります。それだけではありません、子CとDの世話もあります。

Eが認知症の診断を受けてから10年あまりが過ぎたとき、Eが亡くなりました。この10年間、BはEの看病介護に追われ、自分の時間などほとんどありませんでした。Aさんとしても、自分の親のことで妻に負担を掛けたからこそ、これからは夫婦の時間、そしてなによりB自身の時間を大切にしてほしいと思っていました。

Eの相続財産としては、預金は葬式代くらいしかなく、その95%が不動産、すなわち、自宅建物および敷地(評価額は1,500万円とします)でした。

Aさんとしては、自分たちが両親と同居をし、これまで世話をしてきたことを考えれば、自分が自宅建物および敷地を相続することにF・Gも反対しないだろう……そう考えていました。

そこで、Aさんは、自宅建物および敷地を自分が相続したい旨をF・Gに伝えました。すると、F・Gは、「お見舞いに行くとお母さんはいつも寂しがってたわ!あんたたち夫婦はろくに介護もしないで、お母さんの財産だけ持って行こうとするなんて!」と言うのです。Aさんは、F・Gのこの言葉に驚くとともに、Eの介護については自分たちに任せきりで、たまに見舞いに来るだけだったこの姉たちの言い分には腸が煮えくりかえる思いでした。

 

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民法上は

Eさんの法定相続人は子A・F・Gです(民法887条1項)。そして、子3人の相続分は、均等に分けるのが原則です(民法900条4号)。

自宅敷地および建物を子3人で共有するというのは、現実的ではありません。民法の共有に関する規定(民法249条~264条)が適用されるため、いざ売却しようと思ったとき等に、困難な問題が生じかねないからです。

そうすると、自宅の評価額を1,500万円の3分の1ずつ、合計で1,000万円をF・Gに代償金として渡すことが考えられます。

しかし、Aさんに限らず、数百万~数千万円のお金をすぐに用意できる方は滅多にいないと思います。

そうなってくると、いよいよ住み慣れた自宅を売却して、その代金を3等分することも考えなくてはならなくなってきます。Aさんとしては、これからは妻に楽をさせてやりたかったのに、まさかこんなことになるとは……胸が塞がる思いです。

こういう場合、「今まで自分たちが親の看病介護をしてきたのだから、その分自分たちの相続分が増えるはずだ!」と思われる方が多いです。法律上は、「寄与分」(民法904条の2)と言います。しかし、親子間には扶養義務(民法877条1項)がありますので、看病介護は基本的には「特別の寄与」とは認められません。

 

遺言がある場合

Aさんが途方にくれていると、なんとEのタンスの奥から遺言書がでてきました。

Aさんがおそるおそる確認してみると(自筆証書遺言の場合、家庭裁判所で検認を行わなければならないので(民法1004条1項)、封がしてある場合は開封しないでください)、Aさんに全財産を相続させる旨が書いてありました。

Aさんは、この遺言書を持って、再度F・Gのもとに行きました。これで一件落着…と思いきや、今度はF・Gの代理人弁護士から、「遺留分減殺請求」に関する内容証明郵便が届きました。

「遺留分減殺請求」(民法1028条以下)とは、兄弟姉妹以外の法定相続人、つまり、配偶者、子、直系尊属に認められるもので、遺言により特定の人に相続財産の全部を取得させるとなっていても、

一定の範囲で財産を確保できる制度です。今回の場合、F・Gは、Aさんに対し、相続財産の6分の1ずつ、合計で500万円を請求することが可能です。

もっとも、遺言書がなかった場合と比べて半分になったとはいえ、500万円の支払いはなおも厳しいものに違いありません。

昔は仲の良い兄弟だったのに、なんでこんなことになったんだろう…、そう思いつつAさんは自分の預金通帳を眺めます。

 

こうならないために

まず、遺言をきちんと作成する必要があります。もっとも、上記のように特定の相続人に相続させる旨の遺言を作った場合でも、「遺留分減殺請求」の問題は残ります。それを見越して、遺言の内容を決めたり、遺留分相当の現金を用意しておくことも重要です。今回の場合、Eが保険に加入し、受取人を「A」としておけば、死亡保険金は相続財産には含まれず、Aの固有財産となります。そうすれば、Aは、死亡保険金からF・Gへの支払いをすることも可能になります(額によっては、特別受益の問題が生じる可能性があります)。

最近では、親がそろそろ危ないと思ってから遺言の作成を考える方もおられますが、すでに認知症になっていて遺言作成能力がないという場合も増えています。Aさんの場合も、Eの遺言書作成時期によっては、遺言の有効性が問題になる可能性があります。相続対策は早めにしておくにこしたことはありません。

家族が集まった際に、一度お話をしてみてはいかがでしょうか。

<初出:顧問先向け情報紙「コモンズ通心」2016年8月5日号(vol.199)>

※掲載時の法令に基づいており、現在の法律やその後の裁判例などで解釈が異なる可能性があります。

この記事の監修:弁護士 角家理佳(一新総合法律事務所新潟事務所所属)

 

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