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【法務情報】外国人労働者を雇用する際の注意点

 │ 労働, 上越事務所, 弁護士朝妻太郎

 外国籍の方を雇用されている顧問先の方も多くいらっしゃるかと思います。
 人材交流が盛んな今日においては,ごく一般的なことと言えるかもしれません。
 他方,法律相談で雇用関係の問題を抱えて相談にお見えになる外国籍の方も相当するいらっしゃることも事実です。
 事業者として,外国人労働者を雇用する際に注意すべき点とは一体どのようなものなのでしょうか?

 
1 基本的な4つのポイント
 ごく基本的な点としては,以下の4つの点が挙げられます。

 
①在留資格があるかどうか(日本に在留することができる人かどうか。)。
 当たり前の話ですが,意外に注意を払っていない人もいるようです。
 不法就労外国人を雇用したばかりに,捜査機関から不法就労助長罪(入管法73の2)の疑いをかけられる例も見受けられます。「つい,うっかり」ではすまされないのです。

 
②労働者が入国管理法上労働する資格を有しているかどうか。
 いわゆる在留資格の確認です。「永住者」「日本人の配偶者等」などの在留資格を有している場合は,職業・業務について原則的には制限がありませんが,特定活動のための在留資格を有している場合には注意が必要です。
 数年前に問題となった「研修生」就労問題(外国人研修生に最低賃金や労働法規の保護が及ばないことを奇貨として,不当に低い水準で就労させる事業者が存在していた問題。)については,平成21年の入管法改正により「技能実習」という在留資格が新設され改善が図られています。詳しくは弁護士にお尋ね下さい。

 
③当該労働契約等がどこの国の法律に準拠しているか(準拠法は何か。)。
 多くの場合,日本の法律が準拠法になるかと思いますが,他国の法律を適用すべき場合もありますので,注意が必要です。
 また,日本法が適用される場合,労働基準法,最低賃金法などの労働者の保護を図る法律は外国人労働者にも適用されることになります。その意味では,日本人労働者同様注意が必要です。

 
④言葉の問題など,文化・習慣の差異を把握しているか。
 労働条件等を説明する際に,言語の壁により誤解が生じトラブルに発展することなどがあります。また,文化の違いからくる残業についての考え方の違いなどもトラブルの要因になることが多いようです。

 

2 雇用対策法の改正
 平成19年に雇用対策法が改正され,一部を除く外国人労働者の雇入れと離職の際,雇入れの場合には翌月10日まで,離職の場合には離職の翌日から起算して10日以内に,雇用主が労働者の氏名,在留資格,在留期間,生年月日,性別,国籍等をハローワークへ届け出ることが必要になりました。
 そのため,この届出を実践している以上,上記4ポイントのうち①②については,不可避的に注意が払われているのだろうと思います。
 しかし,③④の点については,十分に配慮されていないというのが現状のようです(特に③に関して,未だに外国人には日本人と同じような労働法の保護が及ばないと考えている事業主の方もいらっしゃるようです。)。
外国籍の方の雇用についても,日本人同様「慎重かつ確実に」を心掛けましょう。

 

◆弁護士法人一新総合法律事務所 弁護士 朝妻 太郎◆
<初出:顧問先向け情報紙「こもんず通心」2011年9月15日号(vol.86)>

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