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【法務情報】ドカベンの銅像ケツバットで撤去!?

 │ 新潟事務所, ビジネス, 企業・団体

Q.

新潟市の古町に設置されている野球漫画「ドカベン」の主人公の銅像について、原作者の水島新司さんの事務所より商店街から撤去してほしい旨の依頼が出ているとのこと。 豪快なスイングをしている銅像の前で、バットをお尻に受けるポーズで写真を撮る「ケツバットガール」の画像が,ネット上でいくつも投稿されて話題になっていた。

銅像には、水島漫画のキャラ7体があり、商店街を活性化しようと12年前に設置。 新潟市出身の水島新司さんのご厚意で、著作権使用料は無償だったという。
古町の活性化にも一役かってきたこの銅像だが、商店街のシンボルとして親しまれている銅像がなくなってしまうのはさびしい。このまま撤去はされてしまうのか。

 

A.

著作権法では、漫画の登場人物の姿態をその登場人物と分かる形で複製等をするには、著作者の許諾が必要となります。

また、著作者には、著作権法に基づき、著作物を二次元から三次元へ次元を変更して再現する権利が認められています。

これにより、漫画登場人物の姿を銅像のような三次元の形に変更して再現することについても、著作者の許諾が必要です。

今回、著作権を管理している水島氏事務所から銅像の撤去の要請が出たということですが、撤去しなければならないか否かは、締結されている使用許諾契約の内容にも関わってきます。

契約内容を把握していないので軽々しくコメントできませんが、もし契約上許諾に期限や取消権が付されているのであれば、契約上使用継続を主張できる理由がなければ商店街側は撤去を余儀なくされるかもしれません。

また、期限や取消権の定めがなくとも、無償での使用許諾の場合には、許諾者との信頼関係が破壊される事情がある場合には、許諾の取消しが認められる可能性はあります。

契約内容を中心に、契約締結前後の事情などによって結論は左右されることになるでしょう。

ちょうど最近、銅像の前でスイングをお尻に受けるポーズで撮った「ケツバット」なる写真がネット上などで多数掲載されて話題になっていました。
このことと今回の撤去要請との関連は不明ですが、地元の観光名所でもあるだけに円満に解決してほしいものです。

※Komachi Web (こまちウェブ・新潟県の総合エリアガイド)にも掲載されております

こちら

 

【弁護士法人一新総合法律事務所 弁護士 橘里香】

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