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【法律相談】「原さん,どうして1億円を払ったのですか?」

 │ 新潟事務所, 弁護士和田光弘, その他

 今,マスコミ,とりわけ週刊誌上にセンセーショナルに取りあげられている某プロ野球チーム監督の原さんが,女性との交際(資料は女性がつけていた「日記」とのこと)について,口外して欲しくないとのことから,暴力団員かそうでもない人(この点を某新聞社が争っているらしい。)に対して1億円ものお金を支払ったとの話題を考えてみようと思います。

 
 暴力団かそれに準じる人たち(準構成員とか周辺協力者とか)が相手ならば,よくあるパターンで,いわゆる「民事介入暴力」ですね。平たく言えば,「ゆすり」です。民暴の弁護士ならば(うちの角家弁護士は県弁護士会の副委員長!),「払うな」「警察と連携しろ」ですね。恐喝未遂か,脅迫で立件をめざすところです。会社の社長さんがこれに屈しますと,反社会勢力に資金を与えたことで,暴力団排除条例に反したり,取引先から解除されたり,えらい目に遭うことになります。

 

 ですが,しかし,みなさん,家庭問題として考えてみますと,男どもは弱いわけです。「惚れた女房に浮気のことは口が裂けても言うな」というのが,男どもの伝説的教訓としてあります。浮気がなぜ浮気かと言いますと,それはもともと「お母ちゃんのところに帰ろう」という前提があるからでして,この重心を失ってまでの「第二の結婚」など全く考えていないからです。もう一度の結婚となると,心理的にも経済的にも,残された人生の時間からしても,大変なエネルギーが必要です。それに,結婚して安定しているからこそ,浮気が「リニューアル」で「リスキー」で「モチベーション」が高揚しやすいわけで,「結婚」という鎖をもう一度巻直そうなどと,考えてみると,もはやふわふわした感情は消え,ずしんと重く響く感情ともう一つの離婚時の勘定に「モチベーション」は下がり続けるわけです。

 
 そういう意味で「浮気」と呼ぶわけで,これが法律用語で「不貞行為」とされる,つまり「貞操をまもらない態度・様子」となり,民法770条の離婚原因になりうるわけです。

 
 で,原さんは離婚を恐れたのでしょうか。むろん,それもあったのかもしれませんが,むしろ,男の伝説的教訓「浮気のことは決して言うな」に縛られたように思います。私は他人の相談を受ければ,「母ちゃんに謝れ,一時の気の迷いで申し訳なかった,と」などとアドバイスしますが,こと,自分のことになったらどうでしょう。それほど,潔くは行きません。具体的な顔が浮かんだとたんに,「ダメです。言えません」となりそうな気がします。だからこそ,逆に,客観的な弁護士のような第三者の意見が重要とも言えるわけです。

 
 私としては,原さんは人気のある選手でしたし,今も監督として,その言動からにじみ出る好感度からしても,世間からは人気のある人だと思うわけですが,それを切り離したご夫婦だけの関係としては,精神的には,奥様が圧倒的に原さんを凌駕しているのではないかと推測します。原さんが奥さんにはどうしても頭が上がらないわけですね。だから謝って許してもらうことも選択肢としてはでなかったのかなあ,などと思っています。

 
 こと,男女の間柄は,分かっているようで分からず,割り切っているようで割り切れず,ついたり離れたり,はあ,難しいとしか,言いようがありません。

 
 しかし,1億円です。庶民感覚からすれば,生涯賃金の半分以上でしょう。
 もったいない,と言ったところでしょうか。結局,こんな発表がされるとなると,原さんも「男の哀れさ」をアピールするしかありません。
 「どうしても女房には言えなかった。惚れていたから」と。うまくいくかどうか,それはこれまでのお二人の関係によるのでしょう。失礼しました。

 

◆弁護士法人一新総合法律事務所 弁護士 和田 光弘◆
<初出:顧問先向け情報紙「こもんず通心」2012年7月12日号(vol.106)>

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