法定外の有給休暇につき時季指定が無効とされた事例 ~東京高裁令和元年10月9日判決~(弁護士:五十嵐亮)
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事案の概要
当事者
原告であるXは、被告Y社が運営する英会話教室で非常勤講師として勤務していた者である。
被告であるY社は、英会話教室を運営する株式会社である。
Xの請求内容
Xは、平成28年9月1日から11日の年次有給休暇を取得したことになるため、Y社が指定した15日間の計画年休のうち、6日間が法定の年次有給休暇ということになる。
Xは、Y社からの計画年休の指示に従わず、計画年休として指示された日以外の日に有給休暇を取得した。
Y社は、このようなXの対応等を考慮し、Xの有期雇用を更新せず、雇止めを行った。
これに対し、Xは、計画年休に関する労使協定が締結されていなかったことから、Y社が指示した計画年休は無効であるとして、雇止めも違法であるとして提訴した。
争点
本件の争点は、主に、
①労使協定のない計画年休の指定が無効となるか
②無効となるとしたらその範囲はどの部分か
という点である。