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アスベストによる健康被害を受けられた方へ「救済制度」のご紹介

 │ 新潟事務所, 労働, 弁護士中川正一, 燕三条事務所, 長岡事務所, 新発田事務所, 上越事務所, 労災事故, 企業・団体, コラム

この記事を執筆した弁護士
弁護士 中川 正一

一新総合法律事務所
弁護士 中川 正一

新発田事務所長/理事/事故賠償チーム

早期に事件の見通しを立て、依頼者の不安を解消します。
そのための日々の研鑽を怠りません。

1.アスベストとは

アスベスト(石綿)とは、天然にできた鉱物繊維のことで、「せきめん」「いしわた」とも呼ばれています。

 

石綿は生活のいたるところで使用されてきましたが、その約8割は建材製品です。

石綿を使った建材製品は1955年ごろから使われ始め、ビルの高層化や鉄骨構造化に伴い、鉄骨造建築物などの軽量耐火被覆材として、1960年代の高度成長期に多く使用されました。

また石綿は安価で、耐火性、断熱性、防音性、絶縁性など多様な機能を有していることから、耐火、断熱、防音等の目的で使用されてきました。

このように有用な石綿ですが、その正体は肉眼では見ることができない極めて細い繊維からなっています。

そのため、飛散すると空気中に浮遊しやすく、吸入されてヒトの肺胞に沈着しやすい特徴があります。

吸い込んだ石綿の一部は異物として痰の中に混ざり体外へ排出されます。

しかし、石綿繊維は丈夫で変化しにくい性質のため、肺の組織内に長く滞留することになります。

この体内に滞留した石綿が要因となって、肺の線維化やがんの一種である肺がん、悪性中皮腫などの病気を引き起こすことがあります。

 

2.石綿による健康被害の救済制度

石綿(アスベスト)による健康被害の迅速な救済を図るため、石綿による健康被害を受けた方及びそのご遺族に対し医療費等の救済給付を支給する「石綿による健康被害の救済に関する法律」が平成18年3月27日に施行されました。

 

その後の改正法令により、石綿を吸入することによる労働者災害補償法等で補償されない中皮腫や肺がん、著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺、著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚の健康被害を受けられて療養中の方、これらの疾病に起因して死亡した方のご遺族に対し、医療費等の救済給付が支給されることになっています。

ただし、認定申請を行うことにより、機構からアスベスト(石綿)を吸入することによりかかった旨の認定を受ける必要があります。

 

給付される種類には「葬祭料」「未支給の医療費等」「救済給付調整金」「医療費」「療養手当」などがありますが、請求期限が長くありません。

例えば「葬祭料」でいえば「被認定者が亡くなられた日の翌日から2年以内」など請求期限が比較的短いので早めに請求する必要があります。

 

なお、固定期限で最も早く期限が到来するものは、「特別遺族弔慰金・特別葬祭料」(平成18年3月26日以前に死亡された場合)の請求期限が令和4年3月27日とされていますので、ご注意下さい。

 

これら請求(お問い合わせ)先は、独立行政法人環境再生保全機構(https://www.erca.go.jp/)、及び各地の環境省地方環境事務所(https://www.env.go.jp/region/)になります。

 

3.令和3年5月17日最高裁判決

近時、最高裁は、屋内建設現場における建設作業に従事して石綿粉じんにばく露した労働者との関係において、昭和50年10月1日には「労働大臣が安衛法に基づく(規制)権限を行使しなかったこと」を国家賠償法上の違法と判断しました。

 

4.アスベスト給金制度

これを契機に「特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律」が令和3年6月9日に成立し、同月16日に公布されました。

ただし、施行日は、「一部の規定を除き、法の公布の日から1年以内で、政令の定める日」と定められ、本日現在、施行日は定まっておりません。

 

(1)対象者

当該法律において、給付金を請求できる対象者は、①「昭和49年10月1日~昭和50年9月30日の間に 石綿の吹付け作業に係る建設業務」、「昭和50年10月1日~平成16年9月30日の間に 一定の屋内作業場で行われた作業に係る建設業務」に従事することにより、②石綿関連疾病にかかった、③労働者や一人親方・中小企業主(家族従事者等を含む)です。

 

ご本人がお亡くなりになられている場合は、ご遺族(配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹)からの請求が可能です。

 

(2)給付金等の主な内容

給付金の支給を希望される方からの請求に基づき、認定審査会において審査を行い、その結果に基づいて、病態区分に応じ、給付金が支給されることになります。

例えば、「石綿肺管理2でじん肺法所定の合併症のない者 金550万円」で、「これにより死亡した者 金1200万円」など審査結果に基づいた病態区分に応じ、支給額が決定されます。

 

5.最後に

前記のとおり、アスベスト給金制度は現時点では施行されていませんが、令和4年6月までには動きがあることが予定されています。

施行日が決まりましたら、再度、ご案内致します。


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