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変わる「職場の集まり方」に関する調査について(弁護士:五十嵐 亮)

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この記事を執筆した弁護士
弁護士 五十嵐 亮

一新総合法律事務所
弁護士 五十嵐 亮

長岡事務所所属/理事/事故賠償チーム

依頼者の方々に対しては、懇切丁寧なコミュニケーションを行い、よりよい解決に導けるよう心がけております。

■はじめに

オンライン会議やリモートワークが定着したことにより、職場での「集まり方」が、変容していると同時に、職場での集まり方やコミュニケーションのあり方について見直しを図りたいと考えている企業も多いのではないでしょうか。

 

そのような状況の中、株式会社リクルートのリクルートワークス研究所が2021年12月2日に「コロナ禍で変わる職場の集まり方を調査」(以下「調査結果」といいます)を発表しました。

この調査は、コロナ禍を契機に広がったリモートワークなどの新しい働き方が、職場の「集まり方」にどのような影響を及ぼしたのか、実態を調査したものです。

以下では、調査結果の内容をみていきます。

 

 

■コロナ禍における「集まり方」はどのように変化したか?

 

調査結果によれば、コミュニケーションの「総量」について、回答者の37.6%がコロナ禍前と比べて「減少」と回答したものです。

 

また、どのような「集まり」(会話の機会)が減少したのか?(複数回答)という問いについては、「ランチや飲み会」(71.0%)、「研修・イベント」(61.1%)に加え、「仕事とは関係のない雑談」(46.0%)、「他部署や社外の人との新たな出会い」(44.4%)、「たまたまの出会い」(41.7%)が減少していると回答した人が多いことが明らかとなりました。

 

そして、集まりの「目的」という観点からみると、目的が設定された場(情報伝達のための会議、意思決定のための会議、意見交換のための会議)のうち、「情報伝達」や「意思決定」のための会議については、増加が減少を上回る結果となりました。

他方、「仕事とは関係のない雑談」や「会議前後に発生する会話」が減少する結果となりました。

 

 

■職場の集まりが変化したことによる影響

調査結果によれば、「職場のコミュニケーションの満足度」について、29.2%が「低下した」と回答しました。

特に「他部署」とのコミュニケーションの満足度が他に比べてより低下している傾向がみられたという結果になっています。

 

職場のコミュニケーションが変化したことによる中長期的な課題の上位は、1位:仕事のノウハウが継承されない、2位:職場の一体感やチームワークが弱くなる、3位:離職者ややる気のない人がでてくるという結果となりました。

 

職場での一体感が「減少」したと回答した層もいる反面、約1割が「増加」したと回答しています。「減少」と回答した層と「増加」と回答した層のコミュニケーションの特徴を比較したところ、「職場で同じ経験をすることを大切にしている」という項目での回答にもっとも大きな違いがみられたということです。

 

中長期的な課題を解消するためのコミュニケーション上の工夫としては、「会議などで職場のみんなが参加できるよう、発言を促したり意見を尊重したりする」、「日常的に雑談など気軽に話ができる職場風土をつくろうとしている」という回答が3割を超え、「目的に応じて対面、オンライン(ビデオあり・音声のみ)の場をうまく使い分けている」という回答は28.5%で、「目的によって場を使い分ける」という回答は3割弱にとどまるという結果でした。

 

 

■「集まり方」のバリエーションの工夫

 

「集まり方」のバリエーションという観点では、「情報伝達のための会議」「経営や事業の方針伝達のための会議」などの「機能的伝達」を目的とした会議については、「オンラインのほうが対面より有意義な場になる」「オンラインでも効果は同じ」と回答した割合が半数以上という結果でした。

 

他方で、「ブレーンストーミングや意見交換のための会議」などの「創発的な会議」は、「対面の方が有意義」と「オンラインでも対面でも同じ」がほぼ同率という結果となりました。

 

 

■個人のコミュニケーション志向による仕事の充実感に必要なコミュニケーションの違い

仕事の充実感のために必要なコミュニケーションという観点では、個人のコミュニケーション志向によって、必要なコミュニケーションに違いがあることがわかりました。

 

「協働したい人」は、「画面に顔を映したWEB会議」「メールやチャット」「電話」「上司とのコミュニケーション」「ブレーンストーミングや意見交換のための会議」「経営や事業の方針伝達のための会議」「一対一の打ち合わせ」が増えると仕事の充実感が高まることがわかりました。

 

他方、一人で働きたい人の場合「画面に顔を映したWEB会議」「電話」「上司とのコミュニケーション」は仕事の充実感を高めますが、「メールやチャット」などの気軽なコミュニケーション「ブレーンストーミング」や「方針伝達」「一対一の打ち合わせ」は協働したい人と異なり、「充実感」との関係は見られないという結果になりました。

 

 

いかがでしたでしょうか。

職場での集まり方やコミュニケーションのあり方について見直しを図りたいと考えている企業においては、集まりの目的に応じた場の使い分け、個人のニーズに即したコミュニケーションの使い分けという点がポイントになりそうです。

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【参考にした資料】

「コロナ禍で変わる職場の集まり方を調査」リクルートワークス研究所

https://www.works-i.com/research/works-report/2021/gettogether_research.html

 

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