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社会で実際に起こった、事例や改正された法律をふまえ、法律に関する情報をご紹介します。

成人年齢の引下げと消費者被害の増加(弁護士:長谷川 伸樹)

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この記事を執筆した弁護士
弁護士 長谷川 伸樹

一新総合法律事務所
弁護士 長谷川 伸樹

一新総合法律事務所/上越事務所所属

私は、依頼者・相談者の方々との話し合いを重ね、解決策を共に模索し、十分納得のいく結論にたどり着くための皆様のパートナーとしてお力になれればと考えております。
そのようなパートナーとなるべく、日々の努力を惜しまず、皆様との信頼関係を築けるよう精進して参る所存です。
徹底的に問題と向き合い、納得の問題解決、問題解決による安心にたどり着きましょう。

1 成人年齢引下げと消費者被害

令和4年(2022年)4月1日より、改正民法が施行され、成人年齢が18歳に引き下げられます。

 

成人年齢の引下げにあたって、「消費者被害が増加する危険性がある」と指摘されるのを目にします。

なぜそのような指摘がなされるのでしょうか。

 

2 「意思表示」に関するルール

民法の規定では、原則として、成人になると法律上単独で有効な意思表示が可能になるという考え方が採られています。

他方、未成年者は、保護者(親権者、未成年後見人等)の同意がないと完全な意思表示ができないものと規定されています。

「完全な意思表示ができない」とどうなるかというと、保護者の同意がなかったことを理由に、意思表示を取り消すことができます。

 

意思表示を取り消すことができれば、契約は最初から成立しなかったことになりますので、契約の相手方に対して高額の代金などを支払う必要がなくなるのです。

 

3 法律上の「意思表示」とは

 

では「意思表示」とはなんなのかという点について説明します。

 

例えば、買い物をする際には、『これを売ってください。』という「申込み」と、『はい、この物を売ります。』という「承諾」が合致して初めて売買契約が成立することになります。

契約が法律上有効に成立すると、代金支払義務や物の引渡義務が発生することになります。

上記の「申込み」や「承諾」が意思表示であると考えられています。

有効な意思表示が根拠となり、法律上の権利や義務が発生することになります。

 

あまり意識したことはないかもしれませんが、コンビニやスーパーでの買い物の際にもこのようなやりとりがあって物の売買契約が成立しています。

より厳格に意思表示の証拠を残すために作成されるものが契約書になります。

契約書に署名押印をすることで、書面記載の内容で意思表示をしたということが目に見える形として残ることになります。

 

4 改正民法と意思表示の関係

改正民法施行以降は、18歳以上の方が成人と扱われることになるため、18歳以上の方であれば法律上単独で有効な意思表示をすることが可能となります。

 

極端な話をすれば、18歳になった高校3年生であれば、保護者の同意を得ることなく、単独で、ローンを組んで自動車を購入する契約をすることもできますし(信用が認められるかの問題はあります。)、たとえ消費者に不利な契約であっても単独で有効に成立させることができることとなります。

そして、その契約は簡単に取り消すことはできなくなります。

 

5 未成年者でも有効な意思表示ができる場合

ちなみに、未成年者がした意思表示であっても取り消すことができないものもあります。

それは、お小遣いの範囲内での買い物です。

コンビニでも中高生は単独で買い物をしていますし、店舗側も保護者の同意の有無を確認することはありません。

 

6 消費者被害増加の懸念

上記をまとめると、今後は18歳を超えていれば民法改正により意思表示を簡単に取り消すことができなくなります。

「成人年齢が引き下げられることで消費者被害が増加する危険性がある」というのは、取り消すことができる意思表示の範囲が狭くなることを意味しているものと思われます。

 

7 社会構造との関係

もっとも、現実には、年齢を問わず甘言に惑わされ消費者被害に遭うことはあります。

現在、情報へのアクセスが非常に容易になるとともに、契約の内容や悪徳業者の手口は複雑さ、巧妙さを増すばかりのため、消費者が損をするだけのような契約や仕組みも多々存在し、そのすべてを把握し理解するのは、たとえ現在の成人であっても困難です。

 

このような社会情勢も相まって、成人年齢引き下げによって消費者被害が増加するとの懸念が生じたものと思われます。

しかし、現実としては、若年層のみの問題ではなく、いつ自分が消費者被害に遭ってもおかしくないということを肝に銘じる必要があります。

そのような危機感どのように新成人に伝えていくかが今後の課題であると考えます。

 

弁護士:長谷川伸樹

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弁護士コラム「人生の一部を垣間見る」弁護士:長谷川伸樹

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弁護士が担当する財産管理業務

弁護士業務の中には、自分以外の方の財産を管理する業務がいくつかあります。
中でも、最近は相続財産管理人、成年後見の業務が徐々に多くなっているように感じます。

今回はこの二つの業務について簡単に紹介ができればと思います。

 

ご自宅を無断で訪問?相続財産管理人業務

相続財産管理人業務は、主に亡くなった方に相続人がいない場合に、亡くなった方の遺産の管理者として裁判所から選任されることが多いです。

中には一軒家をお持ちのままお亡くなりになる方もおり、管理人に選任された場合、ご自宅まで調査に伺うことも少なくないです。

生活感の残る誰もいないご自宅に無断でお邪魔して、亡くなった方の生前の様子に思いを馳せると、何か悪いことをしているようななんとも言えない気持ちになります…

そのような気持ちからか、ご自宅の調査を行うことは少し気が引けます。

もっとも、債権者やご親戚の方の必要に応じて管理人選任の申立てがなされていると思うとそのようなことは言っていられません。

忍びない気持ちもありながら、時間をかけておうちの中を拝見し、調査をさせていただいています。

 

家計の収支をしっかり管理!後見業務

成年後見業務は、主に判断能力が乏しくなってしまった方に代わって、我々が財産管理や身上監護を行うものです。

たいていはご親族が管理していた通帳や保険証券といった財産資料を引き継ぐ形で業務を開始しますが、その後も口座の取引履歴や郵便物の調査を通じて、管理すべき財産に漏れがないか、医療費介護費などを加味しても問題なく家計を回せるか(赤字にならないか)などを調査、調整していくことになります。

そのような痕跡から、その方の生活の履歴を調査することで生活実態が見えてくることになります。

 

中には無駄遣いをしないようにお話しをさせていただくこともあります(笑)

 

人生の一部を垣間見る

上記のような業務の内容を見ると、「弁護士の仕事は趣味の悪いものが多い」と思われる方もいるかもしれません。
私も最初は、人の生活や人生を盗み見ているようで、少なからず抵抗を覚えたこともありました。

しかし、上記の業務が徐々に増えていることからもわかるようにこれらの業務を必要としている方が多いのは事実です。

また、最近では、自分の中で「このような形でその方の人生に関与することができるのも、弁護士ならではの仕事か」とも感じるようになりました。

 

人の人生の一部を垣間見ることの責任をより強く感じ始めた弁護士6年目です。

 

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弁護士 長谷川 伸樹

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弁護士 長谷川 伸樹

一新総合法律事務所/上越事務所所属

私は、依頼者・相談者の方々との話し合いを重ね、解決策を共に模索し、十分納得のいく結論にたどり着くための皆様のパートナーとしてお力になれればと考えております。
そのようなパートナーとなるべく、日々の努力を惜しまず、皆様との信頼関係を築けるよう精進して参る所存です。
徹底的に問題と向き合い、納得の問題解決、問題解決による安心にたどり着きましょう。

長谷川伸樹弁護士の民法改正コラム「人身事故事案と民法改正 vol.2~消滅時効~」

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長谷川伸樹弁護士の法律コラムを更新いたしました。

 


1 はじめに

前回は、法定利息に関する民法の改正が人身事故事案に及ぼす影響について、説明をしました。

(※人身事故事案と民法改正 vol.1 ~法廷利息の改正~はこちら※)

本号では、消滅時効に関する改正が及ぼす影響について、確認していきたいと思います。

 

2 消滅時効の改正

⑴ 消滅時効の期間について

ア 不法行為の原則的消滅時効期間

人身事故事案における損害賠償請求権の法的根拠については、不法行為による法律構成が一般的です。

実は、不法行為における消滅時効の原則的な取扱いについては今回改正がありません。

損害及び加害者を知った現行法において、人身事故事案では、この3年~20年という消滅時効期間で規律されて います。
ときから3年、不法行為があった時から20年で消滅時効にかかります(現行民法724条)

 

現行法において、人身事故事案では、この3年~20年という消滅時効期間で規律されています。

 


 

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長谷川伸樹弁護士の民法改正コラム「人身事故事案と民法改正 vol.1」

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長谷川伸樹弁護士の法律コラムを更新いたしました。

 


1 はじめに

これまでに、民法改正について、一通りの連載をしていたところです。

※過去の民法改正コラムはこちら

その改正内容を人身事故事案の観点からまとめ直したものを、本号から3回にわたり連載いたします。

今回は法定利息の改正が及ぼす影響について説明します。

 

2 法定利息の改正

⑴ おさらい

法定利息の改正が行われます。

主な改正点は、① 変動利率制の導入、②当面の間、法定利息が5%⇒3%となること、の2点です。

 


 

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