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社会で実際に起こった、事例や改正された法律をふまえ、法律に関する情報をご紹介します。

弁護士がお伝えする問題社員対応のポイント②-懲戒処分について-

 │ ビジネス, 上越事務所, 企業・団体, 労働, 弁護士五十嵐亮, 新潟事務所, 新発田事務所, 東京事務所, 燕三条事務所, 長岡事務所

 

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今回は前回に引き続き,

弁護士がお伝えする問題社員対応のポイント②-懲戒処分について-

をお届けします。

 

まだご覧になっていない方は,前回の記事もぜひあわせてお読みください。

★ 弁護士がお伝えする問題社員対応のポイント① ★

 

___________________________________________

 

法的処分とそれ以外の分類

 

問題社員に対する対応方法には,

法的効果を伴うものとそうでないものがあります。

 

前者には懲戒処分や普通解雇が当てはまりますし,

後者には,通常の注意・指導が当てはまります。

 

「法的効果」というのは,例えば,

減給処分で言うところの賃金が下がること,

解雇で言うところの職を失うことがそれに当たります。

 

法的効果が生じる処分は,裁判でその適法性・有効性を争うことが可能ですので,

後から違法と判断されたり,場合によっては損害賠償を請求されたりするリスクを伴うことになります。

単なる注意・指導の場合には,それ自体を違法・無効と言われることはありません

(注意・指導がパワハラに当たるような場合は別ですが)。

 

なので,注意・指導からはじめて,それでも改善されない場合には,懲戒処分を検討します。

 

 

懲戒処分の分類

 

懲戒処分は,軽いものから順に,戒告・譴責,減給,出勤停止,懲戒解雇に分類されます。

 

戒告・譴責は,懲戒処分として行う注意・指導です。

懲戒歴にとして記録されることやその懲戒歴が賞与の算定,昇進の判断等に影響されることが,

単なる注意・指導と異なります。始末書の提出を伴うこともあります。

 

減給は,賃金の額から一定額を差し引くことです。

 

出勤停止は,制裁として就労を一定期間禁止することです。

出勤期間中は,賃金が支給されず,勤続年数にも参入されないのが通例です。

 

懲戒解雇は,懲戒として解雇を行うことです。

解雇予告(ないし解雇予告手当)が不要であることや

退職金の全部または一部の不支給もあり得ることが,普通解雇と異なります。

 

軽い懲戒処分からはじめることが通常です。

いきなり懲戒解雇処分をしてしまうと違法無効とされてしまうリスクが高いです。

 

 

懲戒処分の注意点

 

懲戒処分はいつでもできるわけではありません。

むやみに懲戒処分を行うと違法と判断されるリスクがあります。

懲戒処分を行うには就業規則に定められた懲戒事由に該当することだけでは足りず,

さらに企業秩序に違反したこと及び懲戒処分を行うだけの社会的相当性が必要です。

 

ですので,懲戒処分を検討される場合には,事前に弁護士に相談されることをオススメします。

 

 

◆弁護士法人新潟第一法律事務所 弁護士 五十嵐 亮◆

<初出:新潟県建設ユニオン様機関紙2016年11月号>

※掲載時の法令に基づいており,現在の法律やその後の裁判例などで解釈が異なる可能性があります。

弁護士がお伝えする問題社員対応のポイント①-退職勧奨について-

 │ ビジネス, 上越事務所, 企業・団体, 労働, 弁護士五十嵐亮, 新潟事務所, 新発田事務所, 東京事務所, 燕三条事務所, 長岡事務所

 

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今回から3回にわたって,

弁護士がお伝えする問題社員対応のポイント-退職勧奨について-

をお伝えいたします!

 

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「明日から来なくていい」は違法?

 

テレビドラマなどで,従業員が何かミスをしたときに,

社長さんが「明日から来なくていい」と言い渡すという場面をたまにみかけます。

 

その後,実際にその従業員さんが会社に来なくなり,

そのまま辞めさせるということをすると,法的には「解雇」にあたります。

 

解雇することは,労働契約法で厳しく制限されていますので,

裁判で解雇が有効と判断されることはまれです。

 

「ミスをした」,「能力が足りない」,「協調性がない」などの理由でいきなり解雇をすることは,

ほぼ間違いなく違法となります。

 

 

話合いで辞めてもらうことはできる?

 

従業員に辞めてもらいたいときには,「退職勧奨」をすることができます。

「退職勧奨」とは,自主退職してもらうように勧めたり説得したりすることです。

最終的には,自主退職することになるので,

解雇とは異なり,違法となることは原則としてありません。

 

なので,好ましくない従業員がおり,辞めてもらいたいときには,

まず退職勧奨から実施することが望ましいでしょう。

 

ただし,従業員が退職を明確に拒否しているのに何度も執拗に退職勧奨をしたり,

長時間にわたる勧奨をしたり,脅迫的な言動を用いたりすると

違法とされる場合がありますので,注意が必要です。

 

 

問題社員の対応のポイントは?

 

能力不足や非違行為などがある従業員がいる場合,まずは指導をすることが必要です。

指導しても同じことを繰り返し,業務に支障が生じる場合には,

懲戒処分をすることも検討する必要があるかもしれません。

 

懲戒処分を検討せざるを得ない事案の場合には,その経過を記録化する必要があります。

懲戒処分の有効性を争われ場合には,使用者側がその正当性を立証しなければならないからです。

 

繰り返し指導したということを記録化するためには,

メールが有効です(指導したことを報告書にしてもいいでしょう)。

懲戒処分に向けた本格的な話合いをする場合には,録音することが必要です。

 

 

さいごに

 

労働トラブルは,こじれてからでは手遅れになりますし,

少し対応を間違えると企業に大きな損害を与えることもありますので,

なるべく早い段階で弁護士に相談することがお勧めです。

 

次回「弁護士がお伝えする問題社員対応のポイント②-懲戒処分について-」もご覧ください。

 

◆弁護士法人新潟第一法律事務所 弁護士 五十嵐 亮◆

<初出:新潟県建設ユニオン様機関紙2016年9月号>

※掲載時の法令に基づいており,現在の法律やその後の裁判例などで解釈が異なる可能性があります。

退職金規程の不利益変更 職員の署名押印があっても無効!? ~吸収合併の事案~

 │ ビジネス, 上越事務所, 企業・団体, 労働, 弁護士五十嵐亮, 新潟事務所, 新発田事務所, 東京事務所, 燕三条事務所, 長岡事務所

1. はじめに

 

吸収合併に伴い退職金規程を不利益に変更した事案について,

最高裁が判断を示しました。

 

本判決は,吸収合併に伴って退職金規程を変更した事案についてのものですが,

退職金規程を不利益に変更する場合には,参考にすべきものと思われます。

 

 

 

2. 事案の概要

 

A信用組合は,平成13年頃,経営破たんが懸念される状況となったことから,

B信用組合に対して合併を申し入れたところ,

B信用組合がA信用組合を吸収する形での合併契約(吸収合併)が締結されました。

 

それに伴い,A信用組合の職員は,B信用金庫の職員が承継することになりました。

承継された職員の退職金は,合併後に退職する際に,合併前後の勤続年数を通算して,

B退職給与規程により支給することなどが合意されました。

退職金の水準については,当初,A信用組合の水準を維持することが提案されていましたが,

B信用組合側から疑問が呈されていました。

 結局,退職金の額が大幅減になり得る内容での同意書が作成されました。

 

具体的には,

退職金額の計算の基礎となる給与額につきこれまで2分の1とすること,

基礎給与額に乗じられる支給倍数に上限が設定されること等が決定し,

これにより退職金がゼロ円となる可能性が高いことになりました。

 

このような変更について,A信用組合の常務理事らは,職員に対し,

「これに同意しないと本件合併を実現することができない」などと告げて,

退職金変更の同意書に署名押印を求め,同意書を作成したものです。

 

1

 

 

 

3. 賃金や退職金の減額に関する判断

 

労働条件は,

労働者と使用者の個別の合意によって変更することができるとされています(労働契約法8条)。

 

もっとも,本判決では,賃金や退職金に関する変更の場合には,

変更について労働者が同意したのか否かについては慎重に判断するべきとされました。

労働者による同意が,

「労働者の自由な意思に基づいてなされたものと

認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するか否か」

という観点から判断されるべきとしています。

「同意書に署名押印しているのに何で合意が無効になるの?」

と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

 

本件のポイントはまさにそこにあります。

 

この判決は,賃金や退職金に関する労働条件を不利益に変更する場合には,

仮に,労働者が同意書に署名押印をしたとしても無効になる場合があることを示した判決なのです。

 

最高裁はその理由として,

労働者は、

「自らの意思決定の基礎となる情報を収集する能力に限界がある」ことを挙げています。

 

そして,最高裁は,本件について,十分に必要な情報が与えられていたというためには

「支給基準を変更する必要性等についての情報提供や説明がなされるだけでは足りず,

自己都合退職の場合には支給される退職金額がゼロ円となる可能性が高くなることや

従前からの支給基準との関係でも著しく均衡を欠く結果となることなど,

本件基準変更により

職員に対する退職金の支給につき生ずる具体的な不利益の内容や程度についても,

情報提供や説明がされる必要があったというべきである」としています

(結論としては,この部分についての審理が不十分であるとして高等裁判所に差し戻されています)。

 

 

4. 本判決のポイント

 

賃金を減額する場合には,

仮に労働者の個別の同意があったとしても無効になる場合があることは,

従前から認められていた判例法理です。

 

会社が合併する場合,

複数の会社が一緒になるわけですから,

「労働条件を統一しなければならない」という必要性が出てきます。

 

本件のようなA信用組合の倒産回避のために

B信用組合に吸収合併してもらう場合には,

倒産が回避されたのだから労働条件の不利益な変更も甘んじて受け入れるべき

との考えもあるかもしれません。

 

しかし,最高裁は,

本件のような倒産回避のための吸収合併に伴う賃金,退職金の変更の場合にも,

署名押印さえしてもらえば,賃金や退職金の不利益変更をできるわけではない

という従来からの判例法理が当てはまるという判断をしたものです。

 

この点に本判決の特徴がありますので,ご確認ください。

 

 

—-——-—-——-—–——-—- Point ———-—————-——--———–

 

1.賃金の減額

労働者の同意がある場合でも無効になる場合がある。

(これまでの裁判例)

 

2.吸収合併に伴う退職金の減額

労働者の同意がある場合でも無効になる場合がある。

(今回の判決)

 

3.無効にならないためには

自由意思に基づく同意が必要。

減額の必要性のみならず,

具体的な不利益の内容や程度についても説明をする必要がある。

 

 

 

◆弁護士法人新潟第一法律事務所 弁護士 五十嵐 亮◆

<初出:顧問先向け情報紙「こもんず通心」2016年4月1号(vol.192)>

※掲載時の法令に基づいており,現在の法律やその後の裁判例などで解釈が異なる可能性があります。

【法務情報】意外と知らない!?採用内定についての法律問題

 │ ビジネス, 労働, 弁護士五十嵐亮, 長岡事務所

1 はじめに

春めいてきました。一般企業では,もうすぐ新入社員が入社する時期だと思います。

 

今回は,意外と知られていないと思われる「採用内定」について取り上げてみたいと思います。

 

2 採用内定はとても曖昧??

「採用内定」とか「内定をもらった」という言葉は,一般的にもよく使う言葉です。就職活動が厳しさを増す昨今では,何社も就職活動をした末に,「採用内定」を勝ち取るというように,とてもポジティブな意味で使用されることが多いように思います。

 

法的に,「採用内定」というのは,とても曖昧な概念です。採用は,法的には,企業(使用者)が,労働契約に応じることをいいます。つまりは,採用は,労働契約が成立している状態です。

 

では,「採用内定」とはどのような状態なのでしょうか?契約は成立しているのでしょうか?正式採用を拒否することは自由なのでしょうか?

 

3 採用内定=契約成立か??

まず,採用内定とは,果たして労働契約が成立している状態なのでしょうか?「内定」というからには,内々に決まっているだけで契約までは至っていない段階である(予約の段階である)ともいえそうです。

 

しかしながら,最高裁は,「採用内定」について,「始期付き解約権留保付きの労働契約」であるという判断をしており(「予約説」を否定しています),現在はこの考え方が定着しています。

 

面倒な言葉が出てきました。どういうことでしょうか?

 

結論からいうと,採用内定=労働契約の成立です。

 

もっとも,一定の採用内定取消事由が発生した場合には,内定取消しが可能ということになります。例えば,内定をもらったのに,卒業できなかった場合には,採用内定取消しが可能となります。これが,「解約権留保付き」の意味です。採用内定を単なる労働契約と解釈してしまうと,卒業できなかった内定者を採用しなければならなくなり,不都合が生じてしまいます。

 

4 採用内定中の契約関係 

~内定期間中に行う研修の法的位置づけはどうなるのか?~

内定期間中に,事前研修を行うことはよくあることだと思います。ここで,内定者に対して,参加を強制することはできるでしょうか?また,事前研修に参加した内定者に対して賃金を支払う必要はあるのでしょうか?

 

まず,採用内定の際に,採用内定によって労働契約の効力を発生させることとしていれば,内定者に対し,事前研修を業務命令として命ずることが可能です。

 

もっとも,この場合には,業務命令として強制力をもって,事前研修をさせることになりますので,理屈上は,事前研修につき賃金を支払う必要が生じます。

 

他方,採用内定の際に,入社日を契約の効力発生日としていれば,事前研修を強制させることはできません。この場合,事前研修に任意参加となりますが,これに対して賃金を支払う必要はないと考えられます。

 

この労働契約の効力発生日が「始期」の問題です。いずれにしても,内定期間中の取り扱いは,内定の際に明確に示すことが必要です。

 

 5 採用内定は,自由に取り消せるか?

採用内定によって,労働契約が成立していると解される以上,合理的理由のない内定取消しは,認められません。内定取消しは,解雇に準じると考えられます。

 

単に,「案外暗い人だった」とか「案外仕事ができなかった」という程度の理由で,内定取消しをすることはできません。

 

内定取消しが認められる具体例としては,病気やけがによって正常な勤務ができなくなった場合,内定時に申告していた経歴・学歴に重大な虚偽があったことが判明した場合,内定時には予測できなかった深刻な業績悪化が生じた場合などがあげられます。

 

採用内定の可否は,個々の事案に即して慎重に判断する必要があります。

 

6 さいごに

「採用内定」についておおまかに概略を書いてきましたが,思わぬ落とし穴がひそんでいることがおわかりいただけたかと思います。特に,内定期間中の契約関係・内定取消しはトラブルに発展しやすいので,注意が必要です。

 

 ◆弁護士法人新潟第一法律事務所 弁護士 五十嵐 亮◆
<初出:顧問先向け情報紙「こもんず通心」2014年3月17日号(vol.146)>

【法務情報】退職金について

 │ ビジネス, 労働, 弁護士五十嵐亮, 長岡事務所

1 はじめに

 退職金とはなんでしょうか? 
 退職金は一般的にもおなじみの概念だと思いますし,当たり前のようにもらえるものと認識している方も多いかと思います。

 ところが,法律上,退職金は必ず払わなければならないものではありません。

 「えーっ!!」と思う方も多いと思います。退職金は,意外と法律の考え方と一般的な感覚とのギャップがあり,紛争が起こりやすい法分野なので,この機会に一度,概観してみたいと思います。

 

2 退職金とは(法律の考え方) 
 賃金は,労働に対する対価なので,労働契約を結んでいる以上,働いた分だけ当然にもらえるものです。

 退職金は,法律上,賃金的な性格と功労に対する報いという性格があると理解されています。

 賃金であれば,労働契約上,対価として当然に払う必要があるのですが,功労金であれば,必ずしも当然に払うべきものではないということになります。

 そのため,法的には,退職金は,契約や就業規則で,支給すること及び支給基準が規定されてはじめて支給義務が発生します。

 つまり,就業規則や契約で取り決めがない場合には,退職金はもらえないことになります。

 

3 退職金にかかわるトラブル

  ~契約や就業規則に定めがない~

【事例1】

 Aさんは,B会社で,入社以降40年間勤務し,この度,めでたく定年退職をむかえることになりました。Aさんは退職金をもらえるものと信じていましたが,社長によれば,「うちは退職金規程がないから退職金はありません」とのこと。契約上も定めがない。もっとも,これまでは退職金が当たり前のように支払われてきていました。

 この場合,これまでに述べてきたように,Aさんは,原則としては,退職金をもらうことはできません。

 もっとも,これまで退職金が支払われてきた社内での実態が,労使慣行と認められるほどに至っていれば,退職金請求が認められる場合もあります。裁判例においては,①退職者に対して,退職金を支払っていた実績がどの程度あったか,②退職金があるという説明をしたことがあったかどうかという事情が重視されています。労使慣行と認められるためには,就業規則等の明確な約定に代わり得るほどの事例の実績があることが必要とするのが,裁判例の基本的なスタンスです。

 

4 退職金にかかわるトラブル

  ~懲戒解雇と退職金の不支給~

【事例2】

 Xさんは,Y会社に30年間真面目に勤めていましたが,退職を目前にして会社のお金(300万円)を横領してしまい,懲戒解雇処分を受けました。

 Y会社の就業規則には,「懲戒解雇処分を受けた場合には,退職金を不支給または減額することができる」との定めがあり,この規定を理由に本来もらえるはずの退職金(700万円)をもらえなくなってしまいました。
 

 まず,前述のとおり,退職金は,功労金的な性格があるため,Y会社のように懲戒解雇を理由として不支給とする旨定めることができます。問題は,事例の場合で,全額不支給にすることが果たして妥当かという点です。

 この点,裁判例では,不支給・減額条項を「無限定に認めることは相当でない」としており,不支給・減額条項を有効に適用できるのは,「労働者のそれまでの長年の功を抹消してしまうほどの不信があったことを要する」としています。

 事例の場合でも,Xさんの一回の横領が,30年間真面目に働いてきた功労を全て抹消してしまうほどの悪事だったのかという観点から,不支給・減額の是非を判断することになります。裁判例は,不支給については相当厳格に考えているので,事例の場合でも全額不支給とすることは違法とされる可能性が高いと思われます。もっとも,一部減額は事情によってはあり得るでしょう。

 

5 退職金にかかわるトラブル

  ~就業規則の不備~

 紹介したケースの他にも,退職金不支給条項に「懲戒解雇処分を受けた場合」しか定めていない場合には,問題となりやすいです。

 例えば,事例2の場合で,Xさんが横領発覚後,懲戒解雇処分を受ける前に,会社の説得により自主退職した場合には,懲戒解雇「事由」があるにもかかわらず,懲戒解雇「処分」をしていないわけですから,退職金不支給条項に該当しないと主張されます。

 これは明らかな就業規則の不備です。モデル就業規則をそのまま使用していたりするとこういったトラブルが起こりがちです。
 

 6 おわりに
 このように,退職金は,一般的には,なじみのあるものであっても,法律上は,意外とトラブルが生じやすい分野なのです。金額が大きくなりがちである分,トラブルが発生した場合には大きな損害になる場合があるので,注意が必要です。

◆弁護士法人新潟第一法律事務所 弁護士 五十嵐 亮◆
<初出:顧問先向け情報紙「こもんず通心」2013年12月15日号(vol.140)>

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